プエルトバジャルタ オルダス国際空港
プエルトバジャルタに降り立った瞬間、まずその気候に高揚する。カラッとした気候に独特の香り。
ここ、プエルトバジャルタ オルダス空港は街の中心地から、わずか3キロ北に位置する。国際空港ではあるけど、メキシコの田舎町の小さな空港。乗客はほとんどが現地の人だった。
もちろん分かってはいたけど、スペイン語の嵐。実際に、イメージして頭の中では想像してた状況だけど、その暗号のような言葉たちに急にビビり出す こみあげ一家。
飛び交うスペイン語に不安を抱えながら、荷物の受け取りに向かう。
日本を出て、17時間以上経っているからね。無事に荷物たちとご対面できるか不安になる。ターンテーブルをバックパックが流れてくる、あのホッとする感じ。
この先、何度もこういう感覚に出会うわけで、いちいち気にしてたら疲れちゃうね。
久しぶりに背負ったバックパックの重さを再確認して、ゲートへ向かう。
ゲートが開いて出口に向かう通路が現れた時、そのラテンのエネルギーを目の当たりにする。
「テンションたけ〜」笑
もう勧誘勧誘の嵐。もちろん、発する言語はスペイン語で訳がわかんない。後から分かったけど、どうやらタクシーやコレクティーボ(相乗りバス)の勧誘らしい。
旅の前に、情報収集しているとメキシコ内で特に観光者が気をつけるべき犯罪TOP2は「強盗」と「タクシー強盗」だって。
タクシー強盗とは乗せた客を人気のない場所に連れて行き、待ち構えている共謀者達と共に金品を奪うケース。
またはATMまで連れて行きお金を引き出させて、その後解放する短時間誘拐。他にも様々なタイプの物があるらしいけど、ほとんどはこのタイプが多いみたい。
僕も行く前に散々調べたけど、どうやら本当らしい。だから、慣れないメキシコでは特に警戒していたんだ。
旅の最初で神経質になってたのもあったので、ここらの勧誘にはお願いしないで空港の正規のタクシーを使用した。料金は若干、客引きたちの提示するものより高くなるが安心感はあるのでオススメ。
勧誘ゾーンを抜けてゲートを出ると、前方右斜め前に「正規タクシーチケット売場」がある。
電話ボックスを二個繋げたくらいの大きさの中に人がいて、行く場所を提示すると、そのエリアまでの料金を教えてくれる。そこで料金を支払い、購入できる。
それと一つ大切なことだけど、成田空港で少なからずの「円」を「メキシコ・ペソ」に両替しておく必要がある。
プエルトバジャルタの空港でも両替所は勿論あるけど、雰囲気に押されてお金のやり取りを若干ストレスに感じる可能性が高いと思う。
またメキシコでは通貨単位、つまりペソを示す表記が「N$」となるけど、 Nの部分を省いて「$」だけで表記しているところも多い。
物を購入する時など間違って、アメリカドル分の料金を支払わないように注意しよう。
例え間違っていたとしても、相手側は教えてくれないこともある。通常、メキシコ国内で「$」表記はメキシコペソだと思っておいて間違いない。
通貨の計算は為替計算機アプリでしよう→こちら
ちょっと話は脱線したけど、何を言いたいかというと結局トラブルが起きた時どうやっても、言葉の話せない僕らが不利になる。
メキシコでは気さくで素敵な方たちが大半だけど、やっぱり観光客、特に日本人だと分かると様々なトラップを仕掛けてくる人たちがいるのも事実。下調べして、知識を得ておくことは大切だと今でも思うよ。
話は戻って、チケットを買ったら数メートル先に誘導員の人がいる、その人にチケットを渡せば、晴れて空港正規タクシーのお出ましだ。
誘導員に連れられて出口を出よう。
ついに到着した、メキシコ・プエルトバジャルタ!
天気良し!時差ボケなし!最高の気分で気合が入る。
「よし、あれに乗ってくれ!」という誘導員の指差す先に見えた正規タクシー。
「あれ?」
「これ?」
タクシー強盗の見分け方①
※明らかにボロい、、、
誘導員が運転手にチケットを渡すと、イカつめのロン毛のメキシカンが僕らに手招きしてる、、、。
「行くしかねぇ、、」
後で妻に聞いたけど、この時彼女は「こいつ超チキンだな、、」って僕のことを思ってたらしい。そう思われても、まったく気にしない結婚6年目。別に違うところでカッコつけるからいいよ。
ぶっ壊れたトランクに、僕らのザックを詰め込むメキシカン。蓋の閉まらないトランクと、縮こまるアジア人を乗せ、ポンコツ正規タクシーは無事プエルトバジャルタ空港を出発したんだ。
一泊目の宿の予約
一泊目の宿は、事前に予約しておいた。
大体、旅の予算としては一泊2千円〜3千円位で考えていたけど記念すべき旅の初夜だし、現地の状況も分からないから4千円の中級ホテルを予約しておいたんだ。
ご存知だと思うけど海外ではほとんどの場合、一人一泊の値段ではなく、一泊一部屋分の値段となる。一人2千円と考えると悪くはないね。
今回の予約は日本からブッキングドットコムで予約、プール付きの中級リゾートホテルって感じのところ。
いや正直、予約しておいてホッとした。最初はすべてを自由に!がテーマだったから、現地に着いて自分の目で見て、気に入った宿に泊まるのに憧れてたけど、これは無理だわ。
日本からいきなりガイドなしでこの環境に紛れ込むと、自分の無力さで急に尻込みしてしまう。何をするにも一歩進んで二歩下がる状態。
まあ始まったばかりだし、まずは早く旅になれることが大切だね。
空港エリアを抜けて街の公道に出ると、急に渋滞してる。
物珍しそうに、外を見てると運転手のロン毛メキシカンが話しかけてきた。
「#$%&?`*+⁇」
全く分からない。とりあえず返事する。
「、、、、Yes!」
バックミラー越しにはにかむロン毛。またなんか言ってる。
「&%$#”$&%’=~」
また笑顔で、その場を乗り切るためだけに答える僕。
「Year,Year、、、」
その時ふと思ったんだ。
逃げずに一個一個、真剣に取り組まないとダメだ。なんの為にこんな世界の裏側まできてんだよ。
出鼻からメンタルで負けてどうするこみあげ。
「こみあげろ!」
と、自分に喝をうつ。
それで取り出したのがコレ⬇︎
旅に出るとき、友人がくれたもの。
これが、この先大いに役立つ神アイテムになる。僕はペルーのものを持っていたけどキューバやアルゼンチンなど、スペイン語を使う中南米の国々では、どこでも通用する。
これを、ロン毛メキシカンに見せながら話すと凄いウケてる。結局、彼が聞いてきたのは「どの国から来たんだい?」ってことだったんだ。
なんだ、、めっちゃいい奴じゃん。
信号待ちするたびにロン毛メキシカンと、指さし会話帳を使って話す。
覚えたのは無駄な愛想を、みんな振りまかないという事と、スペイン語で日本は「ハポン」と発音するということ。
面白いよメキシコ!指さし会話帳ありがとうございます。
そんなこんなで今日の宿、Puert de Luna に僕らはあっという間に到着したんだ。