「全ては順調でした」
皆様こんにちは。こみあげです。
2020/11/28 AM3:30、久しぶりにブログを書きます。ブログというか「思い」を綴ります。
今僕たちは、キャンピングカーで今冬を越すために九州まで向かう最中でした。
しかし、長野の「おがわ」という場所を最後に北海道に引き返しています。
今年の八月、北の大地北海道から僕たちの旅はスタートしました。
快晴の中、初めてロデオの中で車中泊した日をよく覚えています。
「温度」や「芝の匂い」、「食べたもの」から「妻の歯に青のりが付いてたこと」まで。
全部覚えてる。
そのくらい感性が研ぎ澄まされていたんだと思います。
旅の出発は僕たちの計画の集大成でしたから、それを実行できたことが本当に嬉しくて「子供の頃のあの日」のように記憶に鮮明に残っているんだと思います。
あの日からもうすぐ4ヶ月です。
多くの試練があったけど1日1日が楽しくてしょうがなかった。
狭い車内。
いつでも家族に触れられる距離感。
その外には無限に自然が広がっていて、出会うのは『先生や友達』と呼べるような素晴らしい人々。
2歳の少女を育て上げる環境として「間違いない」という確信を早い段階から得ていました。
そして僕たち親にとっても、この生活が我が家の未来を作ると信じきることが出来ていました。
本音のところ。
今年の三月に東京での家も仕事も捨てた時、気持ちの比重は『不安と恐怖』が勝っていたと思います。
だけどその感情は4ヶ月の生活で得た『自信と経験』により、ほぼ消え去っていたことを実感していた時でした。
僕たちは知らず知らず「生きる強さ」を得ていたんだと思います。この生活を自分達のスタンダードに違和感なくやっと出来はじめていたんです。
そんな時、あるニュースが世間を騒がせ始めました。
『北海道 札幌、第3波か』
この時の感覚もよく覚えていて、旅をして初めて「モヤッとした嫌な感じ」が生まれた時でした。
でもこの感情は口には出さず、自分の中でそっと押さえ込んでいた。
後に聞くと、妻もこの時同じような感情を得ていたそうです。
今思えば、この時から既に僕たちが引き返すシナリオは始まっていたのかもしれません。
それから1週間であっという間にコロナウイルスは蔓延し、札幌=感染地帯というイメージが世間に根付きます。
この時期を境に、旅先の土地で『いつ、この土地に来たのか?』と聞かれることが多くなります。ひどいときは入浴を断られたり、隣に車を止めると移動されたり。
僕たちに向ける世間の目が確実に変わったんだなと肌で感じていました。
これは思い違いではなく、旅をしてるからこそわかる人の感度というやつです。
ロデオは帯広ナンバーです。
でも帯広も札幌も関係ない。
それらは『北海道』として一括りで見られているのだと気付きます。
気にしない人は気にしないでしょう。
でも僕らは訪問美容室を営んで旅をしています。
伺ったお客様のご自宅前に北海道ナンバーの車が駐車しているのを、杞憂な目で見る近所の方もいるでしょう。
小さな町や村は美しい景色と温泉の宝庫です。
でも、ここには静かに暮らす地元の方々がいらっしゃる。
そこに僕らのような旅人が、この時期に来ることを少なからず脅威と感じる方もいるでしょう。
つまり自分達だけの問題ではないわけです。
それでも引き返すという選択肢は考えませんでした。
この現状を捨てるなんて絶対にあり得なかった。何より勢いを止めたくなかったわけです。
有難いことに全国から色んなお話が舞い込んで確実に歯車が噛み合っている状態でした。
しかし、この時から行く手を阻むかのようにトラブルが相次ぐようになります。
まずFFヒーターの不調が相次ぎます。
本州でも高所での朝晩は0℃近くまで冷え込み、暖房の故障は非常に危険です。
続いてポータブル発電機が故障。全く使えない状態になりました。
夏とは違い日照時間が短いのと、悪天候が続き発電機の出番は思ったより増えていた時だったので、これもかなり焦りました。
そして路肩に落ちていたタイヤを踏み、排水タンクに繋がるパイプと排水バルブが破損。
全くの死角でした。
工具は持ち合わせていたので、民家の前で許可を頂いて補修しました。
そして最後は、坂の途中でレッカー移動。
決定的でした。
家族を危険に晒してしまい酷く落ち込みました。
これらの事案が何かしらのメッセージであると気付くのに、時間はかからなかったです。
時を同じくしてニュースには『緊急事態宣言』というワードが出始めていた時でした。
この日の夜、妻と話して引き返すことを決めました。
明朝。
来た道を引き返している最中、自然と涙が溢れてきました。
情熱を注ぐ矛先を急に失い、強烈な喪失感に襲われたんです。
でも、同時にすぐ切り替えることも出来ました。
よく考えたら、捨てるものは何もないし。
覚悟は三月の時点で、もう決めていましたから。
自分の「欲張りな部分」に一旦、蓋をします。
思えばこの旅でかけがえのない『友達』ができ、娘は強くなり、妻とは絶対的な信頼関係を築けました。
この4ヶ月でもう多くのものを得ています。
この先でお待ちいただいていた方々には本当に会いたかった。でもそれは後の楽しみにとっておきます。
僕たちビビリの家族は舞台をまた故郷の北海道に移します。
北海道はこれから『厳冬期』に入ります。
生まれ育った北海道。
この時期の厳しさはよく分かっているつもりですが、なんせ東京から戻って20年ぶりなので正直ビビってます。
まずはロデオを厳冬期仕様にカスタムします。
その模様はインスタ、YouTubeで変わらず発信させていただきますので今後とも宜しくお願いします。
最後に。
いつも応援してくださってくれている皆様。
本当に有難うございます。その応援が確実に僕たちの勇気に繋がっています。
そして、危機的な状況でも一緒に酒を交わし背中を押してくれた旅の友たち。
有難う!あなた達は旅の最大の財産です。
北海道でも訪問美容室BROTEは変わらず営業します!どしどしお問い合わせください。
→※訪問美容室BROTEのホームページはこちら
それでは行ってきます!