南米大陸の洗礼。
ウユニで出会い移動を共にしている僕らは、なんとかサルタに到着!
と思いきや!?
という今回のお話。
次はあなたの番かもよシリーズ、、、
ではどうぞ。
※国境越え!ボリビア最後の町ヴィジャソンからアルゼンチン、ラ・キアカへの記事は→こちらへGO!
サルタじゃない、どこかに到着!?
まあ見出しでわかると思うけど、騙されたわけです我々は。
ラ・キアカのバスターミナルで破格の安さで手に入れた切符。出発時間もタイミングよく、待たずに行けるってことで旅の神に愛されていると有頂天。入念なチェックをしなかった。
さらには旅の仲間がいたことで、個々の警戒心は削がれ完全に油断していたんだね。
やられたわ。マジでやられました。
てか、ここどこ?
正解はここ。
ヘネラル グエメス、、、
どこやねん。
やはり安いには裏がある。
困り果てた僕ら。まあ、これも旅の醍醐味ってことでサルタ行きのバスを探したけど、今日の便は全て終了とのこと。
チーン。終わった。
時間はもう22:30。
ターミナル内は閑散としている上に、防犯のために夜はターミナルを閉鎖するから出て行けと追い出される始末。
チーン。チーン。やばし。
どうするべきか。
この見るからに何もなさそうな町に出て一泊過ごす?バカ高いタクシー料金を支払って町まで行く?
皆んな、しかめっ面でガイドブックやスマフォを眺めていたら1人の男が話しかけてきた。
『アミーゴ!』
カルロス(仮名)との出会い
迷い込んだ東洋人に話しかけてきたのは、タクシードライバーのカルロス(僕らが命名)
『どしたの?』
ー『いや騙されて、サルタに行けず困ってる』
『サルタか、、乗ってくか?』
ー『え、マジ?いくらで行けるの?』
『、、、15000円』
我々は知っている。ここからサルタまではそう遠くないことを。
もう騙されぬ!
ー『いや、高くね?隣町じゃん』
『アルゼンチンナメてんの?大地、広めだよ?しかも5人いんじゃん』
ー『何を!カルロス(仮名)こっちが下手に出てると思って、、くのぉ〜〜』
みたいなやり取りを数分していたような感じ。お互いの言葉は2割程度しか通じていないけど。
このカルロス。
善か悪かというと実は、超善。
めちゃめちゃ良い奴で、結局サルタまで8000円で行ってくれることに。
これ、多分破格の安さで、ヘネラル グエメスからサルタまで普通にバスでも1人1400円程度。
カルロスに感謝といきたいとこだが、この移動が鬼の地獄だった。
カルロスの意気込みへの期待
最終的には突っ込みどころ満載だった、このタクシー移動。
確認ですが僕らは5人。
すでに人数オーバーではある。
『乗れんの?』
これ、全員が思ったであろう感情。
でも『全然余裕〜!』みたいな態度のカルロス。まさかハイエース系の大きいやつ?
もしも、もしも普通乗用車なら、ヴィジャソンでの国境へ向けて乗車したタクシーのように、前席で僕が妻を抱える任務は免れない。
それはいい。なんとかイケるから。
問題なのは、大量の荷物。
これ以外に、120ℓのザックと90ℓのザックがある。
ヴィジャソンで乗った時は、RVRだったのでトランクが広く、なんとか詰め込めたけど。
大丈夫なのか?カルロス。
うん。
ふつ〜のやつ。
いや、いいのよ。なんとか移動できるから。
でも、カルロスの意気込みとは裏腹にふつ〜のやつ。
乗車して一気に落ちるテンション。
全員、荷物やら妻やら何かしらを抱え、カルロスカーはヘネラル グエメスを出発したんだ。
カルロスのスキル
乗車して、最初はこの状況に笑えていたけど、あまりの居心地の悪さに『ガサゴソ、、ガサゴソ』と皆んなのお尻ポジションを変えようとする虚しい音だけが響く車内と化す。
『、、これはかなりキツいぞ、、、』
多分、誰もが思っていた感情だろう。
そしてカルロスに問う。
ー『ねえ、何分くらいで着く?』
『1時間だ』
ー『マジ?そんなにかかるの?』
車内に響く嗚咽(おえつ)のようなうめき。そのくらいに何十キロもある荷物を抱え、満員電車ばりの『身動き一切不可能状態』はカメラで撮影すらできないほどの余白のなさ。
皆んな、1時間という時間を、どう乗り切るかに集中していたはず。
そして、その時!
『シィット!』
ー『どしたカルロス?』
『、、、、、、、、』
無言で引き返す、車。
ん?
もしや、、、、
こやつ、道間違えた?
ブーイング。
鬼のブーイング。
そりゃそうでしょ。この状況下でミスは許されない。
はにかむカルロス。
でもいいよ、いい奴だし。今回だけは大目に、、と思った矢先!
『シィット!』
え?
嘘でしょ。
停車する車。
あれ、カルロス?もしや、、、
そう。カルロスの大誤算。
それはサルタまでの道のりを知らないこと。
金に目がくらみ、普段オーダーのないサルタまでのドライブにガッついてしまったカルロス。
マジで頼むって。
極め付けはこの後、警察に止められる珍事が勃発。
『一人隠れろぉー!』
と叫ぶカルロス。
隠れるってどこにだよ。妻を足元にねじ込む。
『痛い痛い痛い!』
カオス。スーパーカオス状態。
警察は僕らをライトで照らし、なぜか大声で笑ってる。
なんなんだ一体、、、、
このカルロス事件から学んだこと。
それは大人数でも『人任せ』は絶対駄目ということ。移動のチケットは、必要以上のチェックが必要だと再確認させられた。
今回は大人数だったから笑えたけど、一人や夫婦旅なんかだと本当に笑えない。
それでも、こんな出会いに恵まれた僕らは結局は幸運だったと思う。
スキルを磨いて、また僕らを乗せてくれ。
ギュウギュウに押し潰れた瞳から見えた特大の満月と、高台の国道から見えたサルタの街の光。
忘れない。
カルロスゴーは僕らを乗せて、とうとうサルタにたどり着いた。